藤森は『Sweet』の中でも、いくつかの演技を披露している。あるシーンでは「喜怒哀楽」をコミカルに演じているが、一番うまいのは「楽」だった。真顔から一瞬にして大喜びしているかのようにふるまう様は、正しく「ミニスカ後ろでムリヤリ盛り上げモード」そのものだった。さっきまで無表情だったのに、すぐ大喜びしているように見える。実に自然である。去年1年間こればかりだったので、すっかり熟練したらしい(…)。
しかし藤森がうまいとはいっても、それはあくまで5代目ポリスという限られた小集団の中でのことだ。一般的な女優のレベルからいえば、まだまだ駆け出しである。それは本人もよく自覚していて、『Sweet』の中で次のように答えている。
Q. 今悩んでいる事は何ですか?20代前半の女性の悩みといえば恋愛関係が大半ではないかと思うが、藤森は仕事だった。このビデオの撮影は99年2月上旬、私は3月上旬に「藤森の演技はまだまだ勉強の余地がある」と書いたが、藤森も私と同じことを考えていた。荒川ひろみの主要な芸歴は97年夏の「ホリプロ33angels」だが、演劇部門では同時期のVシネマ『池田貴族の怨霊写真』が挙げられるだろう。以下に荒川ひろみ出演の全シーンを掲げる。現在末期がんと闘っている池田氏、まさかこんなビデオのとりあげ方をされるとは思いもよらなかったに違いないが。
A. 今は、すごい演技が上手になりたい。あたしまだまだ、演技はあんまり経験がないから、すっごい下手なんですよ。だから、もっともっといっぱい映画とか見て、もっと練習して、早く演技が上手にできるようになりたい。本気で悩んでる、これは。うん。早くうまくなりたい。
| 荒川ひろみ扮する大谷マリは編集者。高校時代からの友人・河合美紀を担当している。河合のもとに、2人の友人だった北村佐知子が突然謎の電話をかけてくる。それにしても荒川の第一声「おめざめですかー?だいせんせー」は非常に不自然な抑揚。友人を茶化しているのだろうが、これでは「おでかけですかー?レレレのレー」レレレのおじさんと同じイントネーションである。 |
| マリは、佐知子にまつわる妖しげな過去を話す。次のシーンもそうである。 |
| 佐知子は、美紀の部屋に泊まる。妊娠しているという。髪をとかしながら、「あたしの赤ちゃん…もうすぐ手に入る…あいつに産ませる…」などと謎の言葉をつぶやく。 |